Mystyblue’s graffiti.

そうさくは たのしんでこそ はじまる。

読書の秋。

乗り遅れたけど今週のお題は「読書の秋」。

はじめてこのシステムに則ってブログ記事を書くなー。

さて、秋…

読書するもよし、表現の季節が来ましたねえ。💛秋といえば…やっぱり小説。私の家には、尋常じゃないぐらい大量の本がある。

もともとうちの母が読書家だから、子供の私にもその趣味が引き継がれているんだと思う。多分アメトーク🌈の読書芸人のお家の本棚に匹敵するくらいの量!美術〜自己啓発本まで幅広い。

そんなうちの本棚にある小説の中で、不動のオススメは、雫井脩介さんの『犯罪小説家』!!

f:id:mystyblue:20170926041202j:plain

私の好きな本のジャンルは、ミステリーやサスペンス。お気に入りの作家も結構発掘出来ているけど…この不気味な世界観は、良い。

新進作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』に映画化の話が持ち上がった。監督・脚本に選ばれた奇才・小野川充は独自の理論を展開し、かつて世間を騒がせた自殺系サイト「落花の会」を主宰していた木ノ瀬蓮美の“伝説の死”を映画に絡めようとする。一方、小野川に依頼されて蓮美の“伝説の死”の謎に迫り始めたライターの今泉知里は、事件の裏に待居と似た男の存在があると気づき―。その企み、恐怖は予測不能。待望の文庫化。

 

これが主なあらすじ。

装丁のデザイン(ハードカバー版)も、本編の世界観を表しているかのようでお気に入り。文庫本と、表紙のデザインが全っ然違うの。静謐だけど不気味な、青い蓮達。登場人物の木ノ瀬蓮美に因んだものかな?好きな画。

 

肝心の物語は…この構造はなんていうんだろう?主人公ポジションの入れ替わり立ち代わりありで、読んでて飽きないんだよね~。何回も読んで、オチを知ってるのに(おお…)ってなる、怖さ。

このオチの構造が本当にお気に入り。これがあるから、私はこの小説を推してる。

個人的にオノミツを吹越満で脳内キャスティングして読んでしまう不思議…😁

芸術肌でこだわりが強すぎる人なのか、狂ってるけど気付かれずに社会に受け入れられて生きてきたのか…どっち???!みたいな天才脚本家。

表裏一体の感じが天才っぽさを際立たせてる。脚本の才能がありすぎてちょっと狂ってるのかな?みたいな。活躍の裏で二面性が濃そうなキャラ。この人がやっぱり一番怪しい。

あと、待居さん。賞を獲って持て囃される作家だけど、経歴がどこか後ろ暗い。(笑)

とにかく程度の差はあれ、どっちも怪しいんだよ!疑念を抜いて読めるのは今泉さんのパートだけ。うん。

 

うーん、これは初見の方のためにネタバレはしない!感想だけちょこちょこ書いていく。そのほうが驚けるし、この作品を機にもっとハマってほしい。

『虚貌』とか『火の粉』、『犯人に告ぐ』もめっちゃ怖くてめっちゃ面白いんだから~。

レールから外れかけてる常人の描写が上手い。虚貌の荒しかり、火の粉の武内しかり。突然じゃなくて、言い方は悪いけど、そりゃ事件起こすしか生きる道は無いかも…って思わさせられる。虚貌の出だしのエピソードなんかはそれがよくあらわれてて、読んでて苦しくなる…追い詰められての展開なのか、元々そんな悪の資質が備わっていたのか…とにかく展開が薄暗いんだよね。じゃなきゃサスペンスとは呼べないのは分かるけれど。

よくニュースとかで、事件発生後の犯人の様子について、近所の人がインタビューで「大人しい印象だったけど挨拶すると応じてくれた。事件を起こす様な人には見えない」って答えてるじゃない?あんな感じかなあ。

説得力があるの。一見分からない、どこにでも居そうなんだけど、狂気を抱えた人。

作品に出てくる自殺支援(?)サイトも、多分ネットの海の中にはちらほら実在するものなんだろうね。誰かが先頭を切れば、悪い意味できっかけが出来て、そういう死に方は連鎖するらしい。こわ。

この物語は、待居、オノミツ、今泉さんの三人の視点で進んでいくんだけど、どの人物のエピソードも中だるみしないで読めた。この物語自体が怪しさに包まれてるから、どうしてもページをめくって、展開のその先を読みたくなっちゃう。『虚貌』よりはハードでなく、『犯人に告ぐ』よりは業界の内部描写が少なめな、読みやすい題材のサスペンスだと思う。

今まで読んだことがある雫井さん著作で、衝撃度の大きい順としては、虚貌>火の粉>犯罪小説家>犯人に告ぐ の印象。

雫井さんの小説を初めて読むときは、ビター・ブラッドとかコメディが混ざったものの方がとっつきやすいかも知れない。上記の小説たちは笑うところが無いし、読後感がハイカロリーな小説だから…ひたすらモヤモヤする😶特に『虚貌』は展開が初めから終わりまで、本当にモヤモヤする😶(オススメ作品が『犯罪小説家』から『虚貌』にシフトチェンジしそうなほど)

総合的に、『犯罪小説家』が今まで読んできた中でマイベストだったから、ここでもオススメしておく(`・ω・´)b

以上、元書店バイトがお送りしました📙

  

2017/10/08追記:この記事がはてなブログ本部(?)に取り上げてもらえたようで!びっくり!嬉しい…!
この小説を読むときはオノミツの脚本家ならではの勘の良さにも注目すると良いかもしれません😁