美術を愉しめる、お気に入りの本。
創作が好きなので日頃から、小説以外に気になった画集などを見つけると、買って集めてしまう。そのおかげで本棚が大分賑やかな我が家……
今回は溢れかえる本たちの中から、読み返すたびに幸せな気持ちになれる推し本(美術関係)を選んでみました👏
福田利之作品集
鮮やかで温かみのある色彩と構図。パウル・クレーやピエト・モンドリアンの作品を連想した。
スピッツ『群青』『さざなみ』のジャケットアートワークを手がけた福田利之さんの作品集……スピッツファンとしても買わないわけがありません! 本屋さんで働いていたときから注目していた一冊。ずっと欲しいと思っていて、最近になってやっと購入!
私は、この作家さんの、目👀の描き方が好きなんですよね。 これは「目」だとわかるギリギリのラインまでデフォルメしつつ、あたたかいイラストの雰囲気を壊さない描き方。これは松尾たいこさんの作品にも似たものを感じるけれど。
モノを描く際のリアルとバランスのさじ加減が絶妙だと思ってます。制作風景をまとめたHow to drawingの頁、とってもためになるし、この技法で一度自分でも何か制作したいな。
EARLYBIRD/山下良平アートブック
EARLY BIRD RYOHEI YAMASHITA 山下良平アートブック
- 作者: 山下良平
- 出版社/メーカー: 現代絵師工房
- 発売日: 2015
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
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この作家さんも、2年前頃に初めて名前を知った。ネットで個展開催の情報を知って、会場に足を運んだのだった。これは会場で販売されていた作品集。画面が美しすぎてA1サイズでプリントして鑑賞したいくらいほど!
逆光でシルエットになった人物がとても美しくて、エネルギッシュな表紙の作品。作者さんが掲げていたこの展覧会のテーマ『躍動』がしっかり伝わってくる。作家さんご本人がいらしていて、生のお話しを聞けたことが印象的だった😃
絵具を使って制作するときは筆よりもペインティングナイフの出番が多い、とのエピソードをGET出来たのがとっても印象に残っている。筆を使わずしてその絵具と配色コントロール力には脱帽( ゚Д゚)
上記のお二方の作品は、写実的な描写よりも、色や形の面白さから展開させていくものが多くて、そこが大好き。
silentletters 2011~2015
eriさんというイラストレーターさんの画集!ある創作フェスタに出展、画集が販売されているのを知って、作風に惹かれてその場で即購入。
生き生きとした表情の描写が、写真に迫る勢い。写真を撮るとは・絵を描くとは何なのか、を思わず考えさせられるのは、こんな不思議な絵を鑑賞したとき。
作品に出てくる架空の人物の存在に説得力があって……ずっと眺めていると消えてしまいそうな、雪の結晶や霞のような儚さ……アンニュイな魅力があります!
展覧会が開催されたら、行きたい作家さんのひとり。
5歳の子供に描けそうで描けない抽象画
5歳の子どもにできそうでできないアート: 現代美術(コンテポラリーアート)100の読み解き
- 作者: スージーホッジ,田中正之,Susie Hodge
- 出版社/メーカー: 東京美術
- 発売日: 2017/02/01
- メディア: 単行本
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きましたよ…ついに!一番内容の濃い本が👏
具象画と違って、抽象画は見る人によって解釈が大きく変わるもので、鑑賞の仕方が分からない作品も多々あるんだよね。これは、そんな「抽象画とは?」「そもそもどう鑑賞すればいい?」といった大多数の人が訊けずにいた疑問に分かりやすくこたえてくれている本。新しい解釈を提示してくれている、ともいえる。絵画専攻の私も知らない作品が沢山で、目から鱗。この本に載っている説明は、コラム形式でまとめてあるから作品の情報や、当時の時代背景を踏まえた制作意図がすんなり頭に入ってくる。
少しお値段は高めだけど、ファインアートの意味を理解しかねる・苦手意識がある方は読んでみると、抽象画に抱いていたイメージが変わるかも。
読書、そして本を集めることの醍醐味は、新しい視点・知識に出会えること。本のジャンルにもよるけれど、画集や美術技法書の場合は、新たな技法が自分の制作につながる嬉しさがあるよね。憧れのアーティストの関連書籍は、やっぱり生活の中で読み返したいものだし。
『5歳の子どもに~…』のように、難しい内容を楽しくかみ砕いて説明してくれる本に出合ったときは、自分の選書眼の育ちぶり✨を感じます😊
また好きな本の記事を更新するそのときまで、ゆっくり面白そうな本の情報収集、しておきます。